いぶろぐのガジェット日記

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【Hackintosh】macOS Sierraの夢を見た【HandoffとかRX480】


前置き

こんにちは。

今日は例の夢のお話です。あくまでも夢、と一応断っておきます。

前回の記事で組んだPCを使って、HackintoshなmacOS Sierraを動かします。

手持ちのパーツにもよりますが、成功例の多いパーツを使えばかなりすんなり作業は終わります。


構成パーツ

私が今回組んだHackintoshの構成です。

CPU

CPUはHaswell Core i5 4570にしました。実機で使われているものと仕様が近い&価格が安いのが決め手です。

CPUはHaswellで内蔵グラフィッックにIntel HD4600を採用しているものが簡単でいいと思いますが、別にグラボを買うならこの限りではないです。

また、Skylakeや来年登場するKabylakeは内蔵グラフィックがまだ上手く動かない不具合があり、別のGPUが現在のところ必須であるRadeon RXシリーズなどではIntel HD530と共用するとAdobe製品で不具合が出ることもあるようです。

内蔵グラフィック、Radeon RXシリーズ等を使いたい場合は、Haswell世代のCore iシリーズのCPUをオススメします。

注意点として、Intel HD4600を使う場合はDVI出力では起動に失敗します。HDMI接続できるモニタが必要です。

M/B

マザーボードGigabyteのGA-Z97X Gaming5です。マザーボードUEFIに対応しているものが簡単でいいと思います。

6系のチップセットを積んでいるマザーだとUSB3.0が使えないことがある(というか使えない?)ので、あまり古いマザーは避けた方がいいと思います。HaswellなCPUをオススメしているので、マザーも9系のものをオススメします。

グラフィック

グラボは玄人志向Radeon RX480 リファレンスを選びました。

理由として、
- macOS Sierraのデフォルトドライバで動かせる

  • GeforcePascal用ドライバがまだmacOSにリリースされていない(今後も恐らくされない)

  • デュアルブートしているWindowsでゲームもするので、そこそこのパワーは欲しい

  • ケースが小さいので外排気のリファレンスクーラーがいい

などがあります。

なお、GeforceでもMaxwell用ドライバは出ているので、GTX980Tiなどは使えます。ただし、Sierraの次のOSに対してドライバが出るかどうかはわかりません。

SSD/HDD

SATA接続できるSSD/HDDならなんでもいいです。M.2 SSDを使ってNVMeブートする方法もあるようですが、私はちょっと怖いのでやめました。

WiFi/Bluetooth

これは必須ではありませんが、私はHandoffが使いたかったのでパーツを購入しました。

ichitasoさんのブログを参照してパーツ選び。

[徒労日記] OSX YosemiteとiOS8で追加されたHandoffをHackintoshで有効にしました

Hackintoshに関係するパーツは以上です。


Hackintosh構築

ここからHackintoshを構築していきます。

0. 必要なもの

  • Hackintosh用のPC

  • USB(16GBあると安心)

  • Macの実機

  • Clover Bootloader

  • Clover Configurator

SSDに直接OSをインストールする方が簡単ですが、SATA-USB変換コネクタを持っていなかったのでUSBからインストールします。

1. インストールUSB作成

macOSSSDにインストールするために使用するUSBにインストーラをインストールします(分かりにくい...)。

以降は実機での作業です。

まずはUSBをフォーマット。名前は"USB"にしておいて下さい。

f:id:ibulog_iblog:20161201182138p:plain

次にApp StoreからmacOS Sierraのインストールappをダウンロード。

ダウンロードが終わったら以下のコマンドをターミナルで実行。

sudo /Applications/Install\ macOS\ Sierra.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/USB --applicationpath /Applications/Install\ macOS\ Sierra.app --nointeraction

操作が完了したら、Cloverのインストーラを起動して、Bootloaderのインストール先とインストール内容を選択します。

インストール先は先ほど使ったUSB、インストール内容は下の画像の通り。

f:id:ibulog_iblog:20161201182530p:plain

f:id:ibulog_iblog:20161201182532p:plain

あとはContinueをクリックするだけ。

以上でUSBの作成は終了です。

2. Clover Bootloader設定

手順1でUSBの作成自体は完了しましたが、まだ設定が済んでいません。

Clover Configuratorを起動して、USBのEFIパーティションをマウントしておきます。

/EFI/CLOVER/config.plistをClover Configuratorで開きます。

Graphicsタブに移動し、

  • ig-platform-idを0D220003に設定

  • Inject Intelにチェック

SMBIOSタブに移動し、

  • ステッキボタンからiMac 14.2を選択

後はきちんと変更内容を保存して、Clover Bootloaderの設定は完了です。

3. macOS Sierraインストール

ここからはHackintoshを構築するPCでの作業です。

まずはBIOSで、

  • VT-dをオフ

  • 仮想OS機能をオフ

私は以上で無事起動できましたが、環境によっては手順2やBIOS設定を見直す必要があります。

後はUSBからインストーラを起動し、SSD/HDDにmacOS Sierraを普通にインストールするだけ。

インストールが終了したら、再びUSBから起動します。

Cloverの画面で先ほどmacOS Sierraをインストールしたディスクを選択、起動します。

無事起動しデスクトップを表示できたら、手順2と同じ要領で今度はmacOS Sierraがインストールされているディスクをインストール先に指定してClover Bootloaderをインストール。

これでとりあえず、macOS Sierraが無事単体で起動するようになりました。

4. 各種kext/SSDT導入

後はマザーボードやCPUに合わせてkextやSSDTを導入していきます。

ここは環境によって作業がまちまちなので詳しくは述べませんが、私の環境では、

  • FakeSMC系kext(HWMonitorも導入)

  • FakePCIID系kext(デバイスID偽装)

  • AtherosE2200Ethernet.kext(Ethernet動作)

  • AHCI_Intel_Generic_SATA.kext(いらないかも)

  • USBInjectAll.kext(USB数制限対策)

  • CodecCommander.kext(スリープ復帰後無音対策)

  • audio_cloverALC-120_v1.0d.commandによるkext作成(オーディオ)

  • SSDTPRGen.shによるSSDT作成(CPU制御)

  • AMDRadeonX4100.kext改変(RX480動作)

  • BIOSにてプライマリGPUをIGFXに変更(RX480動作)

  • Clover設定の調整

以上により、オーディオやスリープなどは完璧に動作するようになりました。

1つ躓いた点として、私はいつもkextを/EFI/CLOVER/kext/バージョン名に入れているのですが、CodecCommander.kextは/System/Library/Extensionsに入れないと動作しませんでした。

書き出してみると、結構作業が多いですね。


感想

今のところ目立った不具合もなく動いています。Handoffも完動。

RX480のお陰でマイクラにModを導入してもヌルヌルで嬉しい限り。

あと、思わぬ収穫だったのですが、Handoffのために購入したモジュールがハードレベルでのBluetoothペアリングに対応していたようで、BIOS画面やClover画面、デュアルブート先のWindowsでもMagic MouseやMagic Keyboardがそのまま使えました。

Cloverの操作をBluetoothキーボードでできるのはかなり大きいです。

やっぱりmacOSiOSバイスとの親和性が高くて快適です。

それでは。